雨の朝には

アルバム制作-2019-

近頃は家での作業が増えたので、雨に降られるということが日常から減ったような気がします。部屋の窓から見る雨、聞こえる雨音。屋根に守られていることを感じて、気持ちが安心に満たされます。

日常がどうであるかによって、ものごとへの好意も変わるようです。最近の僕は雨が好きです。浸水して湿った靴下、地面から肌に跳ね返る雨水、そういう嫌な気持ちを感じることが減ったためか、今まで良く思っていなかった雨への印象が変わったような気がします。

ただ、それでも天気は気持ちに影響します。朝起きて雨が降っていると、気持ちがなんだか落ち込むということがありますね。

雨の日の朝は、考えごとが捗ります。目が覚める。雨の音が聞こえる。洗濯物干しっぱなしじゃないよな。今日は何をしようか。湿気がすごいな。もう少し眠ろうか。シャワー浴びてすっきりするか。すっきりしたら仕事をしよう。あの件とあの件。面倒くさいなあ。あれがこうなればどうだろう。あの人に言ってみよう。どう言うかな。いい加減起きよう。ああ、今日は雨だ。洗濯物は……

頭の中はぐるぐる回るのに、現実は何一つ変わっていない。考えている間は動けないという当然の現象を目の当たりにします。

ところで、天気は気持ちに影響を与えますが、それに負けず劣らず音楽も気持ちを動かしますね。音に反応して体までもが動き出す音楽があります。

「音楽の力で憂鬱が晴れるなら」、そういう思いで朝の歌を作ろうと思いました。『雨の朝』はその一曲です。まさに先ほどのような、頭ばかりが働いて、なかなか動き出せない朝に、嫌でも起こされるような音楽を作りたいと思いました。雨の朝には『雨の朝』をぜひ。

……今日は『雨の朝』についてでした。こうしてアルバム収録曲への思いをひとつずつ書いてみると、いろんな思いや動機で曲が出来ているんだなあと気づきます。

言葉「だけ」のためではない、音楽「だけ」のためでもない。一曲の価値は捉えどころにより様々です。

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