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学ぶ力

学ぶ力

最近読んだ本のことを書きます。ふらっと本屋さんに寄って、平置きされている本をパラパラとめくっていたら出会いました。この本を読もうと思った理由は、自分が仕事で講師をやっていることと、自分の妹の子どもたちのためになるかなと思ったからです。

『学力喪失 認知科学による回復への道筋 (岩波新書)』今井 むつみ (著)

どういう本か

子どもたちが勉強をする時に、「何が躓きになっているか」を説明してくれます。そして、本来の「学力」や「知識」とはどういうものかを教えてくれます。

例えば、「9歳の壁」というものがあるらしく、これは、9歳あたりの勉強から内容が抽象的になって、ついていけなくなる子が増えてしまう、というもの。具体的にそこにどんな躓きがあるのか、気になりますよね。

また例えば、赤ちゃんはどういう風に言葉を覚えるのか。学校みたいな授業はもちろんなく、親との会話や日常のやりとりで自然と言葉を習得していきます。赤ちゃんの頭の中はどうなっているの? これも気になりますよね。(詳しいことはぜひ本を読んでください)

甥っ子

自分の妹は国際結婚で家族内の会話は英語でしています。驚きなのはその子ども(僕の甥っ子)は、まだ幼稚園生なのに英語と日本語とスペイン語(旦那さんがそっちの出身なので)が喋れます。もちろん日常会話レベルですが、こっちは英語だけでも苦戦しているのにどうして……苦笑。

大人になるにつれて学ぶのがうまくなるのだと思っていましたが、違うようです。

「学力」は「学ぶ力」のことであり、「知識」は「使える知識に自分でしていくもの」。これがいつのまにか、「学力」=「テストの点数」、「知識」=「教えられてただ覚えたもの」になってくる。これがマズい。

実践

ということで、急に飛んじゃいますが、この本から学んだいろんなこと(この記事に書ききれない)を思いながら、講師としての新学期をついこのあいだ迎えました。「おかげで自然と意識できた!」というものを書いておきます。

抽象的な話を控える
抽象的な話はまず聞いてもらえない経験多数(笑)。なので用語の説明や心構えみたいな話は最小限。具体例や具体的な作業を中心にする。

難しい言葉を控える
大人になると普通に使う言葉も、学生からするとわからないことが多い。そのわからない言葉ひとつのせいで、説明全部がわからないものになってしまう。

同じことを違ったやり方でやらせる
例えば、タイピングの練習を、タイピングゲームでやったり、ワードやエクセルでの入力にしたり。新しいことをしている風なので集中力が続きやすい。

「言語化」は万能ではない。

個人的な話なんですが、僕はずっと言葉の勉強をしてきたし、考えることも自分なりにたくさんしてきたので、言語化は割と得意です。だけど、「言語化してうまく説明すること」と「教育」は別物なんだと今回学びました。

言語化はあくまで同じ言語でやりとりすることが当たり前になっている大人向けのものであって、まだ何も知らない赤ちゃんはもちろん、言葉の意味も含めて現在進行形で学んでいる学生には使えない(極端ですが)。具体的に何かをやらせた方が早い。

そこらへんの感覚が僕にはなかったので、とても良い勉強になりました。自分の中にいつの間にかある基準って本当に怖い。

ということで、いつまでも書いちゃいそうなのでここら辺で。妹にもこの本を勧めました。みなさんもぜひ。

2025.4.18

  1. 森谷由歌 より:

    isaoくん、わたしは今、携帯恐怖症なる病に罹っております。誰かがわたしの携帯を覗いてる感じなの。出来るだけ、携帯を持ち歩かないようにしてるし、(それじゃ携帯持つ意味ないんじゃない?って思わせてしまうかも知れませんが💦)パソコンも持ってないし(一緒に住んでる甥っ子は持ってますが)基本、わたしは、原始的な生活をしていると言っても過言ではありません。それでも楽しく生きてます🙌🏻笑
    この本、とても興味ありありです!
    お勧め、ありがとうございます✨