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ブラインドウォーク

ブラインドウォーク

新しいアルバムを作ると言ってから約2年。やっと出来上がったのは4曲入りEP。しかも1曲はRemixしただけのトラック。2年間にしては少量過ぎる結果。だけど、10曲近くのフルアルバムを目指していたらさらに時間がかかったと思う。だから、今回は途中経過としてのEPリリースとなった。

途中経過とはなんのことなのか。僕も最初の頃予期していなかったことなんだけど、作り始めて1年経った頃、その時には10曲くらいのストックがあって、アレンジも6割方進んでいた。だけど、ボーカル録音の段になって、急に「また同じことを繰り返しているな」と思ってしまった。

「同じこと」というのは、平たく言うと「自分らしくないことをしてしまう」ということ。自分の頭の中にオケのイメージは鳴っているけれど、実はボーカリストが違ったりして、女性ボーカルイメージの曲や、ハスキーなロックボーカルイメージの曲だったり、自分が歌うと思わないまま制作を続けてしまうことが、以前からよくあった。そして、そんなおかしなことは、当然いつも問題となって苦労していたのだけど、今回もそれをやってしまっていることに、1年経ったその時に気づいた。

無理をすれば、できないこともなかったのかもしれないけれど、それをやって曲を仕上げたとしても、それは「自分ではない感」がどうしてもしてしまう。「しのぎ切った感」で終わってしまう。そういうのをもうやめなきゃと思った。

1度リセットして、アレンジを変えることでどうにか自分らしくならないか、作り直しを始めた2年目。メンタルがボロボロになってしまって、2023年の後半と2024年の4,5,6月は最底辺。何もする気になれなくて音を聞くのも嫌だった。SNSも嫌だった。ギターの弦は錆びて、うたも歌わなかった。

本当に申し訳ないのだけど、フォローしてくれている人のことを考える余裕はなかった。メッセージは無視したし、自分の状況を報告しようにも何をどこから話せばよいのかわからないので何も言えなかった。はっきり言うと、勝手にさせてもらいました。心配をおかけした方、申し訳ないです。

いつもなら、「ついにアルバムリリース」「おめでとう! ありがとう!」という祝福で迎えるんだけど、今回はそんな訳で、自分の暗い部分、辛い部分を見せてるようで、素直にそういう気持ちにはなれない。

ただ、この2年間、どんなに発信がなくなっても、どんなに音楽制作が進まなくても、自分の「つくる」という活動が終わることはないと確信していたし、それがなくなってしまったら私は私ではない。なので、そういう大きな目で見て、闇の中を歩いていた時間のことを作品化することで、通過していきたいと思っている。

『ブラインドウォーク』
1.Why me
2.雨と灯し火
3.死ぬしかない
4.映画みたいな豆腐

https://linkco.re/m85s0uy7
(2024.9.8 リリース)

2024.9.8