紺に染まれ


歌詞

誰かが僕を罵った 澄まして軽くあしらった
誰かが僕を決めつけた 他人事のように返事した

辛い辛いと君は嘆く 面白いと僕は笑う
同じ場所にいるのに こんなに違うのはなぜだろう

君の目に映っている悲しみは本当に悲しみか
君の目に映っている不幸は本当に不幸なのか
真実は君が決めるのだろ 決めたいように君は決めてるか


捨てると何かが残った そうして全てが決まった
捨てた理由はなんだっけ みんなが捨てるから捨てたんだ

できないと君は思う できるかもと僕は思う
どっちだっていいことさえ 進んで打ち消すのはなぜだろう

君の目に映っている困難は本当に困難か
君の目に映っている不可能は本当に不可能か
真実は君が決めるのだろ 見てもいない人に決めさせるな


網膜に届いた 現実が全てじゃない
意志をもった心が 君好みの今を現像するよ


意味を持つほとんどは 誰かが意味を持たせたんだ
君を縛る当たり前は 君が許した当たり前だ
君が抱く虚しさの原因は 君の意志の虚しさ

君の目に映っている悲しみは本当に悲しみか
君の目に映っている不幸は本当に不幸なのか
真実は君が決めるのだろ 決めたいように君は決めてるか

君とうまく話せたことが 嬉しかった 嬉しかった
人と笑い合うということは 嬉しいな 嬉しいな

そんなことがいつまでも残ってる
冷たい時間の底で 熱が広がる

小さな孤独が灰になった
どうやら近くの火の粉が僕をあたためた
小さな微笑みが情けないほど嬉しい
どうやって僕は君にそれを伝えよう


確かめてみたくなることは たくさんある たくさんある
だけど今はとにかく無心で 笑ってたい 笑ってたい

簡単なことがいくつも重なる
離れた距離の間に 熱が広がる

僅かな言葉が綿になって
どうやら 縮こまる体を少し暖めた
特別な優しさが当たり前のようで嬉しい
どうやって僕は君にそれを伝えよう
小さな微笑みが情けないほど嬉しい
どうやって僕は君にそれを伝えよう


君とうまく話せたことが 嬉しかった 嬉しかった

塗り替わった日々の色 黄ばんだ靴はそのまま
出来上がった茶碗蒸し 塩加減は上々

ひとりじゃ寂しいよ 思わず独り語
誰かのぬくもりを 感じていたいよ

あぁ 少しだけ 今日は 食卓塩をかけて
あぁ 足りないもの 補うよ


よく通った喫茶店 笑い話 恋の話
温まった野菜スープ 素材の味良く出てる

悩みもあるけど ため息に溜めこむ
誰かの呟きを こそこそ盗み見る

あぁ 少しだけ 今日は 食卓塩をかけて
あぁ 寂しさをまた 埋め合わすよ


大事な物事はわかりにくいこともある
手の中にあるものもう一度見てみよう

あぁ 少しだけ 今日は 食卓塩をかけて
あぁ 足りないもの 補うよ
埋め合わすよ

うまく行かぬ出来事を窓の外へ追いやって
賑やかなテレビ見ても 気づけば同じ考え事
隙間から入り込む 不安の風

つまずいた また転んだ
それでも他人は期待するから
どうにか応えようとするけど……

休む今日も 明日のため
余計な力は抜いて
ずっと前を見てなくても
たまには深呼吸 ゆっくりゆっくり


悔しさを持ち帰って 台所に流して
洗濯籠にたまった 汚れたシャツを洗っても
引っかかって取れない 胸のつかえ

届かずに 骨折り損
それでも本音を隠したがるから
笑顔の仮面にまた戻るけど……

嘆く今日も 明日のため
気を張る心を休めて
いつも自分を叱らなくても
たまには深呼吸 ゆっくりゆっくり


吐いた弱音も収まる場所がある
全てをやりこなせなくてもいいよ

休む今日も 明日のため
余計な力は抜いて
ずっと前を見てなくても
たまには深呼吸 ゆっくりゆっくり
たまには深呼吸 ゆっくりゆっくり

2番線のホームに流れ込む毎日同じ僕の日々
他人を載せて走り出す決まった場所へ行くだけ

君はまた隠してる
本心を隠してる
今じゃなきゃ 始まりは来ない

嫌々 こなしてるだけ
そうして 生き消してく
満たしたい 僕が与えた
意味をもった ものたちで


幼い頃はなにもかも両極端に感じてた
大きいことと小さいことその間を知らなかった

僕はまた迷ってる
どちらかを迷ってる
やる前は やる前の景色

ゆらいで 彷徨ってるだけ
そうして 線は切られる
思いが膨らんでるなら
解き放って その世界に


全て捨てる必要はない
それぞれの大きさで
僕は生きていた証を残したい残したい


嫌々 こなしてるだけ
そうして 生き消してく
満たしたい 僕が与えた
意味をもった ものたちで

ひとつ季節が過ぎて 雨風も止んだ
洗い流してくれたもの 残ったままのもの

「ありがとう」 君は今でも大切な人
「ありがとう」 君は今でも僕の愛しい人

サヨナラの小さな夜に 少しだけ身を寄せ合った
目を閉じたその暗闇に 永遠のような日々があった


綺麗なアーチ見つけた ぼんやり見ていた
出来ないこと見つけた 教えてあげること

置いてきた言葉 君はどう受け取ったかな?
「またいつか」 君は今も信じてくれてるかな?

サヨナラの小さな夜に ゆっくりと距離を離した
くっついた心の一部 肉をはがすような痛みがした

サヨナラの小さな夜に 少しだけ身を寄せ合った
目を閉じたその暗闇に 永遠のような日々があった
永遠のような日々があった

憧れたこの暮らしも もう慣れたいつもの日々
聞かせたい話なら あるけれど君は聞くかな

会っても話せない 電話じゃ間が持たない 手紙なんて書けない
ただ元気なことだけ それだけ聞くのが難しいんだ

君が好きだった その気持ちに 僕は封をして
君と別れる その時すら 言えなかったんだ


戻された記憶の中 頼りない僕が浮かぶ
あれだけの気持ちをすら つかめない僕の愚かさ

幼稚な頭で 数をかぞえて 良い答えを探した
でも本当の気持ちが奥にあることわからなかった

君が好きだった その気持ちに 応えがなくても
君と別れる その時くらい 残したかったんだ


君が好きだった その気持ちに 僕は封をして
君と別れる その時すら 言えなかったんだ

君が好きだった その気持ちに 応えがなくても
君と別れる その時くらい 残したかったんだ

君は知らないだろうが 僕は君を思ったりしています
君に言いたくなるけど 今はどうも言えないんです

だけど ねえ 君のこと どうしたらいいかわからない
今すぐ ねえ 君のとこ 行ってもいいかな 行ってもいいかな

会いに行きたい 話をしたい
君に話したこと なんだっけ でも 君の笑顔は覚えてるよ
君に会えるなら ……うんん 話もいらない


君はどうか知らないが 僕は君をふと思い浮かべます
ぼんやり曖昧な記憶が 僕を少し微笑ませます

だけど ねえ 君のこと どうしたらいいかわからない
今すぐ ねえ 君のとこ 行ってもいいかな 行ってもいいかな

会いに行きたい 話をしたい
おもしろい話なんて ないんだけど でも 君の話を聞いてたいんだよ
君に会えるなら ……うんん 話もいらない

会いに行きたい 話をしたい
君に話したこと なんだっけ でも 君の笑顔は覚えてるよ
君に会えるなら ……うんん 話もいらない

君と過ごした時間が好きでした
悲しくなるのは君が泣いてる記憶
今はどうか笑って過ごせていますように

忙しさに ふっと 忘れてしまいます
穏やかな日に でも また君を思い出します

僕の心をほぐした 包むような優しさ
君の手を握りたいと思ったあの日
まっすぐな瞳の ごまかさない優しさ
僕の弱さを「同じだ」と ただ 言ってくれた


君との続きを考えます
笑い合っているから僕は戸惑います
今はどんな気持ちで過ごすべきかわかりません

寂しさに ふっと 誰かを求めます
浮ついた日に でも また懲りず君が浮かびます

僕の心を許した 頼もしい優しさ
君の胸で全部泣こうと思ったあの日
まっすぐな瞳の ごまかさない優しさ
僕の不安を「大丈夫だ」と ただ言ってくれた


ずっと信じてくれていた
ずっと守ってくれていた
忘れていない優しい記憶
僕の大切な優しい記憶


僕の心をほぐした 包むような優しさ
君の手を握りたいと思ったあの日
まっすぐな瞳の ごまかさない優しさ
僕の弱さを「同じだ」と ただ言ってくれた

真夜中の本屋 頭は疲れて
雨上がりのコンクリートの道
目をつぶる 突然考えごとのはしっこに浮かんだ
それはとても自然に

ほんのりと君に恋をしました
笑う頬のうえ 細い眼の中に 優しさがありました


駅前の通り 埃がたまって
薄暗い場所で 何かを探す
思い出す 微笑む君の頬につられて
僕も少し笑った

ほんのりと君に恋をしました
おどろいたような 目がほぐれた時 一緒に笑いました

ほんのりと君に恋をしました
笑う頬のうえ 細い眼の中に 優しさがありました


制作経歴

2016年9月~

9月
曲は溜まっていたので、実際の音源作りスタート。
楽曲のアレンジの方針を決め、実際の録音もしてみる。
「深呼吸」の音源は既に出来ていた(最後に再調整)。
自主企画「ボイスメモ展」にて「線と証」のデモを公開。アルバム収録する時にはタイトルが変わると言ったが結局変わらず。ちなみに「線と証」の仮タイトルは「ロンドン」。
10月
引き続き録音と、録った音の編集。
映画、小説、ドキュメンタリー、WEB記事、プレゼン動画などに触れ創意沸かす。
パッケージについて0から考える。
並行して「朗読ライブ」のための小説執筆。このライブを機に作ることへの意識が少し変わる。
11月
音の最終調整。粘りのボーカル再録音。
ジャケットデザイン作り。
歌詞ページ用原稿執筆。
ワンマンライブリハーサル。いつも使ってるスタジオがぎゅーぎゅーになる。
CDデータ入稿!
12月
歌詞ページデザイン、制作。
完成。お披露目!

コラム(1/4)

タイトルが決まるまで

~キーワードが決まった瞬間~

他のアーティストさんがどういう風にアルバムタイトルを決めるのかわからないですが、僕はとことんいろんな角度から考えてタイトルを出します。まるでどこかに既に答えが用意されているかのように、「ああ、これは違うかあ、これも違うかあ」とぶつぶつ言っています(笑)。

考えあぐねて数日、数週間。いよいよキーワードが決まります。その日は、「紺に染まれ」の特設ページを作っていました(もちろんまだタイトルは決まっていない時)。あとで画像をいれようと思って、真っ赤なベタ塗りのデモ画像を入れていた箇所がありました。なかなか作業がはかどらないなあ、とマウスをぐるぐる回していたその時でした。パソコンを使ってる方はわかると思いますが、Web上の文字や画像を選択すると範囲選択されてその部分の色が変わります。画面上の真っ赤なデモ画像が青に変わりました。その青を見た時のものすごい安心感。体の力みがとれて、「あ、これだ」と思いました。

みなさんにも、「なんとなく落ち着かないもの」ってありませんか? テレビリモコンの場所とか、玄関の靴の位置とか、物の色や形、気に入らないことって意識して探してみると実は結構あると思います。

裏を返せば、人それぞれなんとなく落ち着くものがあるということ。そして、それが「その人らしさ」なのかなあ、という気付きから、まず僕は、僕の好きな色であり、僕に安心感を与えてくれる「紺色」をキーワードにしようと決めました(青は鮮やか過ぎるので紺にしました)。

僕がその気付きをアルバムタイトルにしようとまで思ったのは、「その人らしさ」ということが僕の中で重要なテーマだったからです。人に伝えたいことでもあり、自分でも大切にしたいことのひとつだからです。


ライナーノーツ

~どんな解釈でも正解です~

01 現像
「感じたことをそのまま受け入れることも大切だけど、それに引っ張られ過ぎちゃいけないな、ある程度は自分で方向付けができるな」と思っていた所に「現像」という言葉がピタリとハマりました。どの曲もそうなんですが、この曲の歌詞も、自分に言ってやりたい言葉が詰まってます。
02 熱
大親友でも、久しぶりに話すとほんの少しですが緊張します。人と接するってこういうことなのかなあ、って考えさせられます。大人になると、無邪気さという自由の喜びはなくなるけど、硬くなってかしこまる分、許し合い、分かり合いという喜びがあるのかな、なんて。その喜びは爽快ではないけど、……うーん、なんとも言えない(笑)。
03 食卓塩
「ポケットに好きなうたを~別の街編~」(1st mini Album)(販売終了)からのリアレンジ版を収録しました。曲が出来たのは4年近くも前。とにかくノリの良い曲を作りたいと思って出来た曲です。この曲を演奏し続けたことで"自分から出るリズムのノリ"が固まっていった気がします。
04 深呼吸
こちらもリアレンジ版。これも食卓塩と同じ時期に作っていた曲です。「dim(ディミニッシュ)」という、単体で聴くと気持ちの悪い和音を覚えて最初に作ったのがこの曲。歌詞を作っていた時は人のために作っていたのですが、なんだかんだやっぱり自分への気持ちが紛れ込んでいます。半分共感して、半分贈る、そんな気持ちで歌ってます。
05 線と証
今回のアルバムの中では一番新しい曲です。自分の中にある一番強い気持ちが何かを考えると、会社を辞めて音楽をやる決断をした時のことが浮かびます。「自分という命の線はいつか切れる。その間にやりたいことはやっとけよ。自分がいた証を、自分のために残せよ」って、過去の自分の気持ちから膨らませて歌詞を作りました。今でもそう思っています。同じように思いあぐねている人の後押しになったらいいなと思ってます。
06 サヨナラの小さな夜に
長年連れ添った人との別れは、その間の時間や密度の分、秘めているエネルギーが大きい。ある夜にいよいよ決まる、膨大な時間の終わりと離れる痛みを表現しました。
07 fool
イントロのバッキングといいソロといい、アコギが大活躍。今回のアルバムで楽曲によっていろいろなアレンジをやってみたものの、やはりこのアコースティックなサウンドが好きだ。「熱」に並んで、歌を何度も取り直した曲。「あこがれぇたぁ~」って多分100回は歌ってる。(笑)
08 話もいらない
作曲をする時点で「この曲はロックアレンジにしよう」と決めていました。泥臭く、ストレートに。歌詞については、僕の曲の中ではとても珍しく、情景描写が一切ない曲。30曲に1曲の割合で、こういう曲を忍ばせたい(笑)。
09 優しい記憶
「きみのうた」(2nd Full Album)からのピアノアレンジ版で再収録。本当はドラムやストリングス有りでアレンジをしてたんですが、なんだか嘘っぽくなって、思い切って作っていたパート全部削りました。等身大になったサイズ感で伝わればと思います。
10 ほんのり
原点に返ったような、シンプルな恋の歌。ほんのりからはじめましょ。一番最後の音が鳴り終わった後の、ギターから手を放すシュルッという音が「アルバム終わりですよ」の合図。「またギターを手に取る時、会いましょ」。

コラム(2/4)

タイトルが決まるまで

~自分らしさに染まれ~

突然ですが、自己紹介ってうまくできますか? 学校とかバイト先とか就職先とか、環境が新しくなると自己紹介をする機会が突然やってきますね。僕がそうですが、だいたい名前を言って、学校なら「仲良くしてください」、バイト先や就職先なら「頑張ります」とか、結局自分の紹介になってるのは名前だけだったりして(笑)。

僕はシンガーソングライターをやっているので、自分がどんな人で、どんな歌をうたっているのかをみんなによく知ってもらいたい気持ちがあります。でも、自己紹介の時と同じように、自分らしさを伝えるのって難しいです。特に僕はシンプルなものが好きで、色も少し淡く落ち着いた色が好きなので、何もしないでいると本当に影が薄い(笑)。でもだからといって、自分を偽ることはしたくない。こういうモヤモヤした気持ち、誰にでもあるんじゃないかなあ、と思います。

「紺が好きです」。僕は、だから、そう宣言することにしました。言葉にして、声に出して伝えるだけで、僕の中のモヤモヤはだいぶ晴れました。ものすごく簡単なことなのに、今まで気付かず出来なかった。普段奥に隠れてしまっていることほど、「好き」と声に出すだけで、それが自分らしさとなって輝き出します。

僕は、その輝き出した自分らしさが、もっともっと自分の中に溢れたらいいなと思いました。それぞれの人がその人らしく輝きまくっていたらどんなに素敵だろう。「自分らしさに、自分が染まろう」。そんな気持ちを、まずは自分に対しての言葉にしました。紺に染まれ。自分らしさに染まれ。


全てはひとつの部屋から

~機材紹介~

シンガーソングライターと名乗りながら、僕は作詞・作曲、楽曲のアレンジはもちろん、楽器の演奏・録音、音の編集、イラスト描き、なんならこのWEBページの作成も、全て自分でやっています。「作品作り」がとにかく好きです。

紺に染まれジャケット

「紺に染まれ」のアルバムジャケットをご覧ください。描かれている楽器やパソコンなどの機材は、実際に今回の制作で使われた物達です。今回のアルバムは、文字通りすべてがこのひとつの部屋から生まれました。今回はその部屋の中にある機材達を、収録曲を参考に紹介したいと思います。

楽器

前回のアルバムではアコギが大活躍でしたが、今回はエレキもよく使いました。聞こえにくいパートですが、ベースも弾いてて楽しかった思い出がある(特に「食卓塩」)。

ギター達

タンバリン! これが実は結構難しいのです。「fool」の間奏に入っていますが、「お、うまくいった、ラッキー♪」という感じでした(笑)。そんな所にもご注目。

タンバリン

ピアノとドラム。これは自分で演奏したというと嘘になりますね。ピアノは一応鍵盤をおさえて弾きましたが、まだ弾き通せるほど腕がないので、1曲通してではなくて、小さい小節にわけて録音し編集しています。

ピアノ

そして、ドラムに関しては、家でドラムをバシャバシャやるわけにはいかないので(立ち退きになる。笑)、これもパソコンの力に頼っています。「こう叩いて欲しい」という指示を細かく出すとパソコンがその通りリアルに演奏してくれるんです。

マイク

マニアックになるので簡単に。うちにはマイクが3本ありますが、今回は2種類のマイクを使いました。楽器によって変えたり、または両方同時に使ったり。音を一番はじめに「残る物」にするのがマイクですので、これが非常に大切。

Shure 57

*Shure(シュアー) SM 57
よく「ごーなな」って呼ばれています。余談ですが、音の調整をするPAさんとかエンジニアの人と話すと「57」とか「414」とか「87」とか、とにかくたくさん数字を聞きます。驚くべきことにすべて何かの機材等を示しているのです!

RODE NT2A

*RODE(ロード) NT 2-A
その場の空気まるごと録れるマイクです。ボーカル録りはすべてこれです。またまた余談ですが、僕は太宰治が好きで、夜な夜な「人間失格」を朗読して、このマイクで録音するということをしてます。笑!! いつか全部読み終えたらどこかにUPしようかな(笑)。

音楽編集

録音したままの音というのは、例えるなら釣り上げた魚そのままの状態で、そのまま召し上がるわけにはいきません(笑)。いらない所は取り除いて、綺麗に切って、お造りにするような作業が、音の編集でも必要です。

僕は音楽編集暦は浅いので、今回も勉強しながらの制作でした。目に見えない音を長時間相手にしているとだんだん感覚がおかしくなっていきます。そんな時はひとやすみ。今回、僕を癒してくれたのはチョコレートとアイスとブラックコーヒーでした。

チョコレートとコーヒー

コラム(3/4)

パッケージを考える

~手に入れて嬉しいもの~

僕は本が好きで、読むのも好きですが、本というぬくもりある物自体が好きです。だから、本屋さんに行くとつい手に取ってさっと買ってしまいます。おかげで今本棚がラッシュ時の山手線状態(笑)。(そもそも本棚がちいちゃい。笑)

さて、今回のアルバム制作でも、パッケージをどうするかを考えました。「まずCDにするのかどうかだなあ。音楽を聴ければ良いのだからCDじゃなくたって別に良いんだよなあ……」。こんな具合に何も決まってない0から考えて、出来たのが今回の形です。

「ぬくもりを入れたいなら、やっぱりプラスチックケースより紙だろう」、ということで紙ジャケットにしました。さらに僕は藁半紙(わらばんし)の質感が好きなので、藁半紙をお家のスキャナで取り込んで、デザイン全体にかぶせることで紙っぽさを足しています。

今回の表ジャケット、タイトルもアーティスト名もありませんね。これに込めた思いは「”CDから音源だけ取り込んで、あとは棚にしまって埃かぶる……”、これやめてー!」です(笑)。ずばり、飾ってほしい! そのために、タイトルやアーティスト名は裏に書くことにしました。絵画と呼べる程の物ではないかもしれけれど、どこか良きスペースに飾ってくれたら嬉しい。額縁に入れたって良いと思う(まじめに、してくれたら嬉しい)。

「額縁に入れたら中身や歌詞とか見返せないじゃん!」という声もありそうですが、そこは僕のセンバイトッキョ。ジャケットの中は、僕からの「問いかけの形をとったメッセージ」と「アルバムの記念記録」だけに留めています。どんなメッセージかはCD買ってくれた人のために内緒です(買ってない人、買ってね!笑)。今まであった歌詞カードにあたるものは、別で用意することにしました。
僕のアルバムのパッケージは、外見(そとみ)は飾る。歌詞カードにあたる中身は持ち歩いて楽しむもの。次はその「持ち歩くもの」を考えます。


ジャケットの絵

下絵

ジャケットの絵を描き始めたのはアルバムタイトルが決まった後でした。具体的に描き出したのは入稿をする2週間前くらいだったので、本当にギリギリまで描き出していなかった。

ジャケットのスケッチメモ

*ジャケットのスケッチメモ

「自分らしさを大切にする」。アルバムのタイトルが決まって、このテーマが明らかになりました。テーマが決まって、最初に思いつきでささっとメモに描いたのがこのジャケットのスケッチ。まんま採用されましたね(笑)。

部屋の中をさらけ出すことは、自分をさらけ出すことにも繋がるんじゃないかと思いました。どんなものがあって、どんな色相なのか。僕は、今回のアルバム制作に使った機材を知ってもらうと同時に、自分がいつもこういう場所にいるということをさらけ出したかった。この絵にあるものは、まったくそのまま部屋に同じ配置であります。(2017.2月:ほんの少し模様替えしました。笑)

原画起こし

*下書きをトレース台でなぞる。

原画を起こし、パソコンで色塗り。ポイントは輪郭の線。やわらかい絵にしたかったので、輪郭をぼかす意味で色を抜いています。あと、意外かもしれませんが、色塗りで最後まで悩んだのがパソコンの画面の色。これが一番難しかった。

描いていて思ったのは、「本当に地味な部屋だなあ」ということ(笑)。「茶色とか黒とかばっかりで全然楽しくない!」と思いながら色塗っていました(笑)。まあ、でもつまりこれこそ「自分らしさ」ですよね。これくらいが僕にはちょうどいいです。

コラム(4/4)

パッケージを考える

~歌詞ページ~

僕は、好きなアーティストのCDを買って、曲も楽しみだけど、やっぱり少し楽しみなのが歌詞カード。「おもしろいこと書いてないかなあ、いい写真入ってないかなあ」と期待します。アーティストの直筆メッセージとか歴史が書いてあったりするとすごく充実した気分になります。「これがもっと長く多く続いたらいいなあ」、そう思った経験がありました。

その経験があり、この歌詞ページが出来ました。歌詞の他に、コラム、制作過程、ライナーノーツ、機材紹介、こういうものをどんどん追記していくWEBページを作ろう。完成された歌詞カードではなくて、長く楽しめる「育つ歌詞ページ」。曲を聴きながら、同時に更新されていく歌詞ページがあったら、よりアルバムを楽しめるんじゃないかなと思いました。

この歌詞ページは、スマホのホーム画面やブックマークに保存すると、CDのジャケットとアルバムタイトルが表示され、本当に歌詞カードを持ち歩いている気分になれます。今までのCDのも合わせるとこんな感じ。

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CD紹介

歌詞ページ「紺に染まれ」
isao official website