アーティストにとって大切なアイディアの生み出し方

大切な「アイディア」

アーティストとして、自分らしいアイディアを生み出せているか。僕は、自分に対してそれを問い続けたいし、その大切さを感じさせてくれるような作品にもっと出会いたいと思う。

決まった型、決まった流れ、似通った手法。そこに自分を載せた所で、それは例えて言うなら、鯛焼き器で作られた鯛焼きでしかない。自分をアーティストと名乗る以上、僕はその型ごと変えるくらいの気持ちで創作活動をしなければいけないと思う。

自分の曲のアレンジや、活動を改めて眺めてみて、「どうして、Aメロ、Bメロ、サビの形が多いんだろう」、「どうしてアーティストはステージに上がってパフォーマンスをするのだろう」と考える。考えると同時に壊したくなる。自分が鯛焼きになってしまっていることに危機感を覚える。

アイディアという言葉の存在感が、活動を続けるに従って大きくなってくる。大切なのはやっぱりアイディアだ。誰かと同じことをするなら、極論僕じゃなくたって良い。

アイディアを考える時の最初の行動

アイディアの生み出し方はいろいろあると思う。それに関する専門書さえある。僕は、専門書を読んだわけではないけれど、自分なりに、アイディアを生み出す時に初めに取り掛かるべき行動を見つけた。

アイディアに関してよく言われるのは「まったく新しいものなどはない。あるのは新しい組み合わせや、新しい用い方だ」という言葉。この言葉を聞いた時、確かにそうだと思った。それで、僕は「じゃあ、新しい組み合わせや、新しい用い方を探せば良いんだ」と思った。でも、その考え方でアイディアを生み出そうと思っても中々出てこなかった。

そしてある日、マジックショーの動画を見ている時だった。僕は、新しいアイディアを生み出す時に、初めに取り掛かるべき行動を見つけた。

新しいアイディアを見つける時は、新しい何かを探すのではなく、まず自分の中にある思い込みを見つけなければいけない。

「新しい」というのは、絶対的に新しいのではなくて、「自分の思い込みに比べると新しい」というだけだ。大切なのは、その思い込みがどこにあるかを探すこと。どういう常識があって、どういう当たり前があって、信じ切っているものを探すこと。「これはこうと決まっている」という思い込みを探すこと。新しいアイディアを生み出すことはそこから始まるんじゃないかと思う。

ちなみに……

なんでマジックショーの動画でそんなことを思ったのか。「マジック」というのは、例えば、コインマジックでコインが消えるというマジックがあったとしても、本当にコインが消えているわけではない。「コインが急に消えるはずがない」と思い込んでいるから、消えた(ように見えた)時、人は驚く。思い込みがひっくり返されるからだ。ならば、「どんな思い込みをしているのかを探せばいい」。

例えば……(あとがきに代えて)

自分のデスクにペン立てが欲しいと思って、街に買いに行ったことがありました。ペン立てにお金をあまりかけたくないので(笑)、100円均一に入った。文房具コーナーを見てみる。何種類かペン立てはあったけれど、金具で出来ていたり、網状になっていたり、自分の求めるものがなかった。それでどうしたか……、僕は食器コーナーに行きました。そして、シンプルなかわいいマグカップを買ってそれをペン立てにすることにしました。僕はそのペン立て(もとはマグカップ)が気に入って、もう5年以上も使っています。

物に名前をつけると、物はその名前として働き始めますが、別にその名前に囚われなくたって良い。「マグカップ」という名前から来る用途の思い込みを取り払うことで新しい「用い方」が生まれた例です。アーティスト活動でも、そういう思い込みはたくさんある。アイディアの種がそれだけあるということだと思います。アーティスト。脱・鯛焼き!

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